ありあまる日常

何も感じていないようで、ありあまるほど感じていることがある日常を紹介

創造力と想像力

今回は小説「ファーストラブ」の話。

と言ってもほとんどは自分の話。

 

本なんて年間10冊読めばいいくらいで、

どちらかというと小説よりも

自己啓発系や仕事に関する本を好んで読むから、

小説を読むなんてことは年間1冊あればいいくらい。

 

そんな自分がファーストラブを読もうと思ったきっかけは、

古本屋で人気のところに置かれていたこと。

数年前に見たことのあり、

その装丁が気になったこと。

小説を読むきっかけなんて自分にとってはそんなもんだ。

 

率直な感想としては、

引き込まれる。

自分は本の中の世界で物語を客観的な人間なんじゃないか、

と思わせるくらいに。

 

話の内容はよくできていて、

たくさんの伏線にそれを回収する流れ。

読み終わったときに「ふぅっ」と息を吐き、

少し笑みを浮かべるくらい。

読んでよかった、

出会えてよかった、

面白かったと思わせる。

 

これを考える創造力を尊敬する。

見ているのはただ羅列された文字なのに、

自分の頭の中にはそこに書かれた情景が浮かぶ。

想像力が乏しいと感じている自分が、

その想像を描いていることにびっくりする。

 

ひとつひとつの所作。

ひとりひとりがなにをどのように感じているのか。

文字を通して視ている。

 

ドラマや映画や漫画が好きな自分は、

好んで小説を読もうと思ったことはなかったのだが、

ここまで想像力を掻き立てられると、

もっと前から小説を読んでいれば、

人の感情をもっと分かったかもしれないと悔やむとともに、

今からでも遅くはないと、

小説を物語を文字を読み、

創造はできなくても想像できる人間になろうと思う。

 

最初は今回ファーストラブを書かれた、

島本理生さんの他の小説を読んでみよう。